2004年12月20日

学力低下問題

 最近取りざたされているこの問題の出発点は三浦朱門の中教審にあります。教育関係者には常識なんですが,みんな知らないんでしょうか。ちょっと驚き。
もう少しちゃんと知りたい方はこちらをどうぞ。

■三浦朱門の思うツボ
 戦後の欠落感を国民的に共有できた「幸福な」時代の子どもは大人が黙っていても熱心に勉強しました。知識や技術を身につけることが未来を約束してくれたからです。
 ところが,その欠落を解消し「中流気分」に浸っている間に社会は行きづまり,今日のような「先行き不透明な時代」に突入したのです。
 企業社会で頑張ってきたお父さんが突然リストラされるし,若年者の失業率は相変わらず高い状況です。いつの間にか日本は「階層社会」となり,政財界は大多数の若者を「安い労働力」としか見ていません。最初から勝負がついてるのに,どうして子どもたちが頑張れるでしょうか。三浦朱門はそういう階層社会を構想してあの答申を出したのです。
 ですから問題は「世の中の三浦朱門的な流れにどう対抗していくのか」ということになるのですが,残念ながら今の僕には有効な方策は思い浮かびません。でも,世の中をそういう方向に動かそうとしているやつがいて,実際にそうなりつつあるのだ,ということを認識しておく必要はあるでしょう。鬱屈した想いを石原に託してナショナリズムに解消しようとしてはいけないのです。そんなことしたら,ますます三浦朱門の思うツボです。

■理系の給与を上げよ
 僕は「文化としての科学」を楽しく勉強してもらえるようにと願って仲間と教育研究を進めているのであって,「産業界の要求」にはほとんど関心がありません。
でも,政財界の「このままでは科学技術立国ニッポンが立ち行かなくなるのではないか」という不安を解消する簡単な処方箋があるのでここに記しておきます。(過剰サービスかな?)
 それは,理系エンジニアの給与を思い切り上げてやることです。文系出身者に比べて生涯賃金が5,000万円も低いことに怒り「理系はソンだ」と経済学部に進んだ優秀な生徒を何人も見てきた僕が言うんだからこれは確かなことです。(理系人生は給料が安くても楽しいんだけどね)

■ついでに教員の給与も上げよ ←それが言いたかったのか(笑)
 実は同じ方法が「優秀な教員を確保する」ことにも使えます。
 近年の不況のおかげで,公教育現場には優秀な人材が集まりつつあります。「勉強ができるだけの人間が教員になってもねえ」なんて声も聞こえてきそうですが,子どもに勉強を教えるのが教員の仕事です。小学生用の漢字書き取りで正答率47%の先生が免職になりましたが,やっぱりあれでは困ります。
 アタマの良い子は,いろんなことをどんどん吸収して立派な教員に育つ確率が高いはずです。また,教員の持つべき資質のひとつに「想像力(共感力?)」がありますが,これは成績の高低と明らかに相関関係があります(19年間ホームルーム担任を持って800人近い生徒を見てきた上での実感)。
挫折経験の有無なんてあまり関係がありません。だいたい,生徒がぶつかる困難は千差万別ですから,教員にそのすべてを経験しておくことなど不可能です。そんなときに頼りになるのは「想像力」しかないのです。
 やっぱり教員の給与を上げて,頭の良い子を呼び入れなくちゃ(^^) 
・・・なんだかハナシがそれてきましたね。話がそれたついでに,

■円周率は3でよい
と思います。僕は昔からそうやって計算してきました。理系の人はだいたいそうなんじゃないでしょうか?
 こんど誰かと散歩してるときに「この街路樹の幹の直径が28cm。じゃ胴回りは何cm?」ってな問題を出してみてください。
 僕なら「28×3で84,まあ90cm弱ってとこかな」とします。これで十分。28×3.14とする意味がどれほどあるでしょうか。
 きっちり計算しなくちゃいけない局面も(ごくたまに)ありますが,だいたいは「概算で十分」ですし,実験系の物理屋は「オーダーが合えばよし」とするのが普通です。
 生徒に熱の仕事当量(4.2J/cal)を測定する実験をさせると「4.0になっちゃった。失敗だ(:_;)」などと嘆いていますから「いやいや,こんなラフな実験でそんなに良い値が出るなんてすごい」と慰めてあげなくちゃいけません(^^;)
 ついでに言うと,重力加速度も10m/s^2で十分だと僕は考えています。
「自由落下すると,1秒ごとに10m/s(時速36km)ずつスピードアップする。3秒で時速100kmを超えちゃうんだねえ」
なんてね。まあ,文科省の役人がこういう理系っぽさを持ってたのかどうかは知りませんけど。

投稿者 murata : 22:19 | コメント (2) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年12月13日

日教組組織率30%割れ

日教組組織率、初めて30%割れ

 こういう話題を避けてきたわけじゃないけど,今まで一度も書いたことがありませんなぁ。ちょっと書いてみようかな。
 ちなみに僕が入ってるのは,日教組系じゃなくて全教系(全労連に加盟)の岐阜教組ってやつで,日教組以上に組織率が低い(^^;)労働組合なんですが,いろんなブログを見て回ってると,小林よしのりにカブれてる(?)若い人たちの反日教組・反朝日エントリーをよく見かけます。でも,ちょっと勉強不足じゃないかなあと感じるのです。
 どういうことかっていうと,日教組は10年くらい前に文部省と"歴史的和解"をしてて,とっくの昔に"闘う組合"じゃなくなってるんだよなあ。攻撃するなら全教をターゲットにしなきゃダメでしょうに(笑)

 まあ僕も熱心な組合員ではありませんが,組合に入ってるといいことがあるんです。それは,管理職にならなくてすむってこと。
 僕みたいに授業が大好きな人間は,管理職なんかになって授業ができなくなったら教員をやってる意味がなくなっちゃうんですよねえ。そうなったらもう退職するしかありません(笑) ところが組合員ならそういう心配がないでしょ♪
「おめーみたいなカルい男はそんな心配しなくても大丈夫だよ」
なんて声が聞こえてきそうですが,いままでいろんな校長に「君もそろそろ将来のことを考えてだな,ごにょごにょ(声が小さくなる)」とか「教育委員会に入れるように推薦しといたからね,云々」とか「短期海外研修に行かないかね」(これは"出世"のためのハクづけになる)とか言われてるから,杞憂とも思えない。そういうときは「組合をやめろってことですか?」と聞き返すと彼らはあわてて否定します。そう言ったら不当労働行為ですからね。

 周りの人は僕が進路指導部長になった(させられた)とき"管理職への道を歩み出した"と思ったらしいですが,とんでもない。そんな気はまるっきりありませんからねーだ(^-^) (主任手当は全額拠出して,授業料納入に苦労している生徒さんの就学援助金に使ってもらってます)
 ま,そういうわけで,あと14年間 僕の極楽トンボ教師生活は続くのだ。ははは。

投稿者 murata : 20:32 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年10月12日

新幹線で車中泊

20041012 10/9(土)はホントにとんでもない目にあいました(^^;)
結局新幹線が動き始めたのは20:45頃。それからは徐行運転だったので東京駅に着いたのは深夜0:10でした。(岐阜羽島を出てからほぼ12時間後!)
東北新幹線の終電にも間に合わず,東京駅で夜を明かす羽目になってしまいました。
JRが回送車両の「のぞみ」を宿泊用に開放してくれたので,椅子に座ったまま仮眠。早朝5:00頃車内放送で起こされ,サンドイッチと缶コーヒーの配給(?)を受け,なんとか6:04の東北新幹線に乗ることができたのでした。やれやれ。
あ,仙台行きの目的はコレです。
この写真は掛川で撮ったもので,僕たちが乗ったひかりと隣に停車中のこだまをつなぐアルミ製の「橋」です。(クリックすると拡大表示)
これを渡ってこだま号の中に入り,プラットホームに出るのです。いろんな道具があるもんですな。

投稿者 murata : 14:57 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年08月01日

名古屋大須電気街お買い得情報

20040801-1.jpg久しぶりに大須へ遊びに行ってきました。
僕は電子工作系ヲタクなんだけど,大須へ行くたびに電子パーツ屋が減っているようで寂しい限りです。
まず最初に寄ったのはGoodWill「PCリサイクル中古専門店」
ここではVectra VEi8(Pen3 500MHz,96MB,8.4GB)というデスクトップパソコンが目を引きました。
10台限定だけど,税込み¥8,980は安いですよね。僕は買わなかったけど,まだ8台ありましたよ。
img/20040801-2その後はいつもの巡回コースで第一アメ横ビルのボントンを冷やかし,第二アメ横ビルに向かう途中にマルカパーツへ寄ってみると,なんとカジュアルウェアのお店に変わってるじゃないですか。
「ああ,ついにマルカも大須から撤退か~」
とガックリ肩を落としながら第二アメ横ビルへ。
タケイムセンに入ろうと思ったら,またまた別の店に変わってるじゃないですか!
「 うそだろ!?,orz 」
打ちのめされた気分で奥へ進むと,ありました!タケイムセン
同じ1階なんだけど,移動してたんですね。あー良かった。
ニッ水電池とパーツを少し買って,精算の時に
「マルカパーツってなくなっちゃったんですか?」と聞いてみると
「マルカさん? そっちにありますよ。アメ横ビルの中へ入ってきたんです」
そうだったのか。またまたひと安心。
マルカパーツは以前よりも売り場面積が狭くなってましたが,ちゃんと営業してました。ここでヘンなものを見つけて買ってきたんだけど,その話は次回ね。
2階へ上がってみると,ゴルフ用品の店以外は何にもなくてガラーンとしてました。寂しいですなあ。
エスカレーターで降りようとしたら,そこにもう1軒のお店を発見。
img/20040801-3こういう萌え系フィギア(?)のお店でした。アニヲタ君が何人かいましたね。こんな店いつできたんでしょ。
僕みたいな電子工作ヲタはもう流行らないんですかね~。(1度だって流行ったことはないか)

投稿者 murata : 18:34 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年07月20日

初戦突破!

20040720.jpg
僕が勤めてる学校の野球部が全国高校野球選手権大会地方大会の初戦を飾りました。
僕の隣の席のU先生(野球部顧問)が来春定年退職なので、「U先生の最後の夏を撮りに行こうかな」とカメラを持って出かけたのです。
相手は昨年の地方大会優勝校だから「今日で終わり」だと思ってたら、なんのなんの堂々たる戦いぶりで4-3で勝ってしまいました♪
よーし、この調子でU先生を甲子園に連れてってやれ~!

投稿者 murata : 22:01 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年07月08日

おやじの会

倅が通ってる中学校が荒れてるらしい。
そこで,PTA執行部の提案で「おやじの会」を結成して夏休みに夜間パトロールをすることになったようで,参加者を募るチラシが回ってきた。
地域の教育力が失われてきていると言われてる昨今でもあるし,人肌脱いでやろうかと思って参加することにした。
考えてみれば,放課後の子どもの生活に責任を持つのは保護者であって,学校の先生ではない。
今年の夏休みの夜は近所のオヤジが集まって「厨房狩り」です,ははは。
そうだ,パトロールの後にみんなで飲みに行ったらおもしろいかも。

ところで,おやじデジカメCaplio GXはまだ入荷してないらしい。はやく来ないかな。

投稿者 murata : 22:11 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき

2004年07月03日

電車男と匿名の善意

あちこちのブログですっごい話題になってる電車男の話を一昨日知り(遅い),読んでみました。
いい歳して結構ハマりました(笑)。
気弱な電車男くんのキャラも立ってたけど,なにより心を動かされたのは独身男性板住人の鋭いツッコミや親切なアドバイス。見も知らぬアニヲタ男の恋をどうしてここまで真剣に応援できるんだろね。ゲラゲラ笑いながら,一方でじんときました。
「このハナシ,ネタじゃないのか?」なんて憶測もあるようですが,板住人の善意はホンモノだよね。
「2ちゃんねるは下品で悪意に満ちている」という認識が一般的ですが,あれほどの巨大掲示板群ですから,世間といっしょで善意もあれば悪意もあるでしょう。ただその匿名性ゆえ,どす黒い悪意やピュアな善意がストレートに出やすいんでしょうな。
そういえばLinux板で,Linux初心者が初インストールに挑むスレがあったけどあれも電車男と同じくらい心温まるものがありました。
彼が間違った方向へ行きそうになったとき,スレ住人たちは絶妙なタイミングで誘導してあげるんだけど,決して教えすぎない。2ch用語で言うところの「生暖かく見守る」姿勢に徹する見識にはアタマが下がりました。こういう教師になりたいもんです。

投稿者 murata : 20:36 | コメント (0) | トラックバック (0) | カテゴリ:日記・コラム・つぶやき